
台湾有事っていうけど、具体的にどういうことが起こるの?

2027年以内に起こるってホント!?
中国による台湾への侵攻、いわゆる台湾有事のニュースをよく見かけますが、具体的にどう行われるのか、イマイチ見えてこないですよね。
今回は「月刊正論」2021年9月号掲載「台湾防衛戦略 米国の出方を読む」から、アメリカの安全保障コミュニティで議論されている台湾有事のシナリオを紹介します。

具体的なシナリオから周辺情報まで、タップリ詰まった非常に有益な記事だ!
※現在新品の取り扱いはないようです。
↓この記事を書いた人
- 名前:島ゾーリ(シマゾーリと読む)
- 2015年、北朝鮮のミサイル発射の警報で叩き起こされたのを機に軍事の勉強をはじめる
- 軍事、安全保障を独学して10年
- 主な情報源は本、専門家のX(Twitter)、BSのニュース番組、国際政治関係のYouTube

軍事・安全保障界隈を10年間見てきた知識をもとに「基礎的な知識」と「すぐに役立つ知識」を意識した情報発信をしているよ!
↓忙しい方向けの台湾有事関連動画まとめ
【内容】「台湾防衛戦略 アメリカの出方を読む」でわかること

「月刊正論」2021年9月号掲載の「台湾防衛戦略 米国の出方を読む」では以下のことが書かれています。
- ワシントン(政府)とホノルル(現場)で認識がズレるわけ
- 「痛みを伴うトレード・オフの鉄の三角形」とは?
- 「鉄の三角形のジレンマ」の事例
- アメリカの安全保障コミュニティで議論されている台湾有事4つのシナリオ。
- 中国が実行を判断するときとは?
- 日本、アメリカへの提言。

「アメリカ内部の事情」「台湾有事の具体的なシナリオ」「実行するにあたって中国が何を重視するのか」など台湾有事のニュースに接するときに知っておきたい情報が満載だ!
※現在新品の取り扱いはないようです。
【執筆者】村野 将(むらの まさし)とは?
- 1987年生まれ
- 専門は日米の安全保障・防衛戦略
- アメリカのハドソン研究所研究員。H.R.マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官らと共に、日米防衛協力に関する政策研究プロジェクトを担当
- 拓殖大学大学院‐国際協力学研究科‐安全保障専攻博士前期課程修了
- 岡崎研究所や官公庁で戦略分析・政策立案業務に従事したのち2019年より現職
- 著書に「米中戦争を阻止せよ トランプの参謀たちの暗闘」
- 共著に「新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛」
- 監訳書に「正しい核戦略とは何か 冷戦後アメリカの模索」
↓ツイッターにて有益な情報を発信してくれています。
↓待望の単著「米中戦争を阻止せよ トランプの参謀たちの暗闘」も出版!
↓2022年に監訳で本を出しました!
↓「TBSラジオ 伊集院光 深夜の馬鹿力」の熱心リスナーでもあるようです。

これから要注目の研究者だ(^^)
しかし、アメリカ在住のはずなのに、どうやって日本の深夜ラジオ聞いているんだろう・・・
【要約】台湾有事の4つシナリオ@アメリカの安全保障コミュニティ

記事の内容から、現在アメリカの安全保障コミュニティで議論されているという台湾侵攻のシナリオを簡単に紹介したいと思います。
お伝えするシナリオは下記の4つです。
- 航空・ミサイル戦力による奇襲
- 電子・サイバー攻撃と海上封鎖
- 水陸両用部隊での着上陸侵攻
- 離島を奪取し、既成事実を確立する
【シナリオ1】航空・ミサイル戦力による奇襲
- 開戦と同時に台湾の基地、部隊、指揮中枢をミサイルで攻撃。
→台湾の防空・攻撃能力を一気に破壊し、台湾海峡における海上・航空優勢を確立 - 中国が現在保有する兵器の運用次第では可能、とみられている。
- 大規模な部隊移動、通信の増大などで奇襲の準備がバレる可能性が高い。
→宇宙、サイバー、電子の各種能力を用いて、台湾や米軍の早期警戒能力を一定期間低下させる、もしくは演習と称して移動させることが考えられるか。

通信量の増大で行動を予測できるんだね(◎_◎;)
シギント(SIGINT。通信の傍受など通信に関する情報収集)の重要性がわかったよ。
【シナリオ2】電子・サイバー攻撃と海上封鎖
- 電子、サイバー攻撃に加えて封鎖を行う。
→台湾を物理・情報の面で孤立させ、政治的交渉を強制する。 - 台湾の攻撃能力、防空能力、商用港と沖合の石油ターミナルをミサイルで破壊。
→機雷、艦艇、潜水艦、航空機で海上と上空を封鎖。
→アメリカでも航空優勢、海上優勢を取り返すのは困難になる。 - 食料60%、エネルギー98%を輸入に頼るという台湾の脆弱性。
- 海岸線が限られているため、大型コンテナ船の行き先を予測しやすい。

実現してしまうと、一番厄介なことになりそうだ( ̄▽ ̄;)
【シナリオ3】水陸両用部隊での着上陸侵攻
- シナリオ1「航空・ミサイル戦力による奇襲」で、台湾政府が行動を変えない場合に行われる可能性が高い。
- 中国の海上輸送能力が明らかに不足。
- 台湾は上陸に適した海岸線が全体の10%しかなく、上陸地点が事前に予測されている。
→中国の上陸部隊が、対艦ミサイルの攻撃に晒される可能性が高い。 - 中国の上陸部隊の損耗率はとても高くなりそう。

「上陸に適した地点が限られている」というのは是非覚えておこう!
この事実を無視して「上陸作戦が実行されたらすぐ終わり」みたいな記事を見かけたりするぞ!
【シナリオ4】離島を奪取し、既成事実を確立する
- 東沙諸島、南沙諸島の太平島などの離島を短期間で奪取し、既成事実を確立する。
- 利益の重要性は低いが、リスクも低い。台湾統一の意思を示すアピールになる。
- 南シナ海、クリミアにおいて、米軍が介入しなかったことを中国がどう計算に入れているか。
- 短期間で生起する可能性は最も高いと考えられている。

離島を奪取して既成事実を確立!その手があったか!
【活用】今後の台湾有事のニュースを理解するために・・・

「台湾防衛戦略 アメリカの出方を読む」では、シナリオだけではなく、
・ワシントン(政府)とホノルル(現場)で認識がズレるわけ。
・「痛みを伴うトレード・オフの鉄の三角形」とは?
・「鉄の三角形のジレンマ」の事例
・中国が実行を判断するときとは?
・日本、アメリカへの提言。
についても、書かれていますが、
どれも今後の中国やアメリカの動きを理解するうえで、非常に有益です。
特に「中国が実行を判断するに際して、日米の意思を見るのか?能力を見るのか?」という点は、台湾有事のニュースに接するときは頭の片隅に置いておきたい視点ですね。

台湾有事のニュースに接するときに持っていたい情報が一通り詰まった良記事だ。
悪意あるニュースに惑わされないためにも、一度は目を通したい。
※現在新品の取り扱いはないようです。
【補完】合わせて読みたい本・記事
↑自衛隊と法の関係を徹底的に解説した本です。
「アメリカ艦艇が攻撃を受けたら」「南西諸島に中国軍が侵攻したら」など具体的な事例を想定し、自衛隊は法的にどういうことができるかも解説されています。

「自衛隊と法」について解説した唯一の本だ!手元に置いて、気になることがあれば引っ張り出したい一冊。
↓紹介記事も書いています。
これからの世界情勢の行く末について、大学教授でありジャーナリストでもある著者の峯村健司が国際政治や安全保障のエキスパートたちと議論していく本です。
この本を読めば、台湾有事についての一般的な疑問を解消でき、ウクライナ戦争が日本に与える影響についての理解が深まります。

対談相手の先生はX(旧Twitter)をやっている人も多い!
本を読んで、信頼できると思えばフォローするのがオススメだ!
↓紹介記事も書いてます。
防衛研究所所属で核戦略が専門の高橋杉雄さんによる「軍事分析」の解説。軍事の基礎的な知識が身に付いて、不安を感じるようなニュースも冷静に見られるようになります。

本書にもあるように「主権者として、納税者として、政策を評価するために軍事の基礎知識の知っておく重要性は増している!」。
これからの日本を取り巻く安全保障環境を考えると、必ず読んでおきたい一冊だ!
↓著者の高橋杉雄さんは、スポーツやアイドル、スイーツなど多趣味なのでX(旧Twitter)をフォローして眺めているだけでも楽しいぞい。
↓紹介記事も書いてます。
【まずはサクッとお手軽に】台湾有事について学べる動画まとめ
↑当ブログでも「台湾有事について学べる動画」をまとめて紹介してます!
「何から見たらいいか分からない、、、」という方にオススメです。
↓こんな動画や
↓こんな動画なんかも

↑この記事で紹介している動画を見ておけば、台湾有事の基本的な知識はオッケーだ!
【おまけ】安部元首相の対談企画もすごい・・・
正論の2021年9月号、10月号は特集「令和の安全保障孝」ということで、安部元首相、岩田清文元陸上幕僚長、兼原信克元内閣官房副長官補の対談があるんですが、
これがまた凄まじい( ̄▽ ̄;)
日本の安全保障について、直球の発言の数々・・・・
いまの島ゾーリの実力ではまとめきれないので、いくつか列挙するかたちで紹介します。
日本の軍事力増強が台湾・尖閣有事を防ぐ(正論2012年9月号)
(安部)
正論2021年9月号 「日本の軍事力増強が台湾・尖閣有事を防ぐ」
世界が「米国一強」から変わる中で、同盟国が同盟国としての役割を果たせなければ、同盟は長続きしない。助け合うことができるというのが信頼関係です。信頼関係のない同盟はただの紙切れになってしまう。生きた同盟にするためには集団的自衛権の行使が絶対的に必要だと我々は考え、平和安全法制を作りました。
(兼原)
正論2021年9月号 「日本の軍事力増強が台湾・尖閣有事を防ぐ」
日本が動くと大きいんですよね。山が動く感じです。日頃は動かないから大きさが分からない。海上自衛隊には駆逐艦級の護衛艦が約50隻あります。世界有数の大艦隊です。それに、欧州の人たちは日本周辺の事情は皆よくわからないから、日本が戦略を以って手本を示さないと、自分からは動かないんです。この地域において米国以外で動ける力のある国は日本しかない。だから日本が動き始めるとみんなついてくる。
(岩田)
正論2021年9月号 「日本の軍事力増強が台湾・尖閣有事を防ぐ」
米軍との力の関係で、攻めても勝てるかもしれないと習主席が過信したら。香港で騒がれなかったし、南シナ海でも報復や懲罰はまったくないんだから大丈夫だと思ったら。アメリカもコミットメントが弱くなり、日本はどうも守る気がないようだと思ったら、やってくる可能性が出てくる。そうさせないために日米が連携して、台湾を守る。我々が南西諸島を守るという意思を示すことですよね。それが抑止につながると思います。
勝てる軍事力を持て (正論2012年9月号)
(安部)
正論2021年10月号 「勝てる軍事力を持て」
中国に関することで一つ指摘しておきたいのは、中国に対して我々がこのように肌で感じている感覚を米国がどれぐらい持っているか、ということです。基本的に米国防総省とかはそういう認識を持っていると思うんですが、バイデン政権ができたとき、当初はみんな心配したと思うんですよね。
(兼原)
正論2021年10月号 「勝てる軍事力を持て」
米国防総省の研究部門「米国防高等研究計画局(DARPA)=ダーパ」がやっている。この資金はハイリスクが前提です。失敗してもいいのです。市場原理を無視した巨額の予算をハイリスクな研究開発に投じられるのは、国家安全保障にかかわるからです。兵隊の命と国の運命がかかっているからです。だから、巨額の費用を国が持つ。ここからどんどんユニコーンといわれるベンチャー企業が育っていく。この仕組みが日本にはない。
(安部)
正論2021年10月号 「勝てる軍事力を持て」
防衛分野への投資は先端技術への投資でもあり、イノベーションを引き起こします。






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